サンプル問題 科目A 問43

問43  ソフトウェア開発の見積方法の一つであるファンクションポイント法の説明として,適切なものはどれか。 

ア  開発規模が分かっていることを前提として,工数と工期を見積もる方法である。ビジネス分野に限らず,全分野に適用可能である。 

イ  過去に経験した類似のソフトウェアについてのデータを基にして,ソフトウェアの相違点を調べ,同じ部分については過去のデータを使い,異なった部分は経験に基づいて,規模と工数を見積もる方法である。 

ウ  ソフトウェアの機能を入出力データ数やファイル数などによって定量的に計測し複雑さによる調整を行って,ソフトウェア規模を見積もる方法である。 

エ  単位作業項目に適用する作業量の基準値を決めておき,作業項目を単位作業項目まで分解し,基準値を適用して算出した作業量の積算で全体の作業量を見積もる方法である。 

出典:基本情報技術者試験 サンプル問題

ファンクションポイント法について知っていること

私自身はファンクションポイント法を使ったり勉強したことはありませんが、ファンクションポイント法の勉強をしている人から話を聞いたことがあります。

うろ覚えですが、入出力データ数など発注者が理解できる情報を用いてファンクションポイントという数値を計算します。次に、この数値を調整することで見積もりを算出するということでした。

で、ファンクションポイント数の計算は機械的にできるのだが、調整のところでどうにでもなるので、結局見積もり精度を上げるには経験を積むしかない、ということだったと思います。

選択肢を見ていく

この問題は、ファンクションポイント法以外、名前がわからないので、解説サイトを参考にしました。

www.fe-siken.com

ア  開発規模が分かっていることを前提として,工数と工期を見積もる方法である。ビジネス分野に限らず,全分野に適用可能である。 

解説サイトによると、COCOMOというのだそうです。COCOMOについては、次のサイトがわかりやすくまとめられていました。

ssaits.jp

開発規模が分かっていることを前提にできるのは、類似開発の経験が相当必要なようにも思いました。

イ  過去に経験した類似のソフトウェアについてのデータを基にして,ソフトウェアの相違点を調べ,同じ部分については過去のデータを使い,異なった部分は経験に基づいて,規模と工数を見積もる方法である。 

何だかいつもやっていることのような気がしますが、解説サイトによると類推見積法というのだそうです。そのままの名前ですね。

開発規模が大きくなると、一部は類似するが異なる部分がある、というところが増えて、過去データを適用できるところが少なくなり、精度が悪化する気がします。

ウ  ソフトウェアの機能を入出力データ数やファイル数などによって定量的に計測し複雑さによる調整を行って,ソフトウェア規模を見積もる方法である。 

これがファンクションポイント法ですね。

エ  単位作業項目に適用する作業量の基準値を決めておき,作業項目を単位作業項目まで分解し,基準値を適用して算出した作業量の積算で全体の作業量を見積もる方法である。 

これはソフトウェア開発と言うより、工場の量産ラインとかにおける考え方として聞いたことがあります。解説サイトによると標準値法や標準タスク法と呼ぶのだそうです。

私が聞いたのは、ロープの両端を持ってロープが床につかないように運ぶという作業についてでした。ロープの長さが1mくらいまではロープが長くなっても標準値が少し大きくなる程度だが、その長さを超えると床につかないようにロープの途中も持つ必要があり、標準値が急激に大きくなるという話でした。

ずっと同じ作業をしているので見積もり精度は高そうに思いましたが、作業者に新人が増えると標準値を微調整するなど、経験による部分もあるようでした。標準値自身が経験そのものですしね。

答え