サンプル問題 科目A 問56
問56 CGM(Consumer Generated Media)の例はどれか。
ア 企業が,経営状況や財務状況,業績動向に関する情報を,個人投資家向けに公開する自社の Web サイト
イ 企業が,自社の商品の特徴や使用方法に関する情報を,一般消費者向けに発信する自社の Web サイト
ウ 行政機関が,政策,行政サービスに関する情報を,一般市民向けに公開する自組織の Web サイト
エ 個人が,自らが使用した商品などの評価に関する情報を,不特定多数に向けて発信するブログや SNS などの Web サイト
出典:基本情報技術者試験 サンプル問題
CGMとは
既存のメディアでは、記者・ライターなど専門職のプロがコンテンツを作成していたが、インターネットが普及し、一般人でもコンテンツやメディアを作成できるようになった。こうした“消費者側が作成したメディア”が「CGM」と呼称されている。
まあ、一言で言えばブログでしょうか。
一方で、例えばこんな感じの捉え方もあるようです。
なぜこれほどまでに異なる分野の多くの人々が,そしてさまざまな研究者が,歌声合成ソフトウェアでかつキャラクタでもある「初音ミク」を発端としたCGM(Consumer Generated Media,消費者生成メディア)現象に注目し,議論しているのか.
とは言え、一般的には前者でしょう。
選択肢を見てみる
いつものように解説サイトを参考に調べようと思いましたが、CGMの解説はあるものの、その他の選択肢の解説が見当たりませんでした。
ア 企業が,経営状況や財務状況,業績動向に関する情報を,個人投資家向けに公開する自社の Web サイト
これはIR情報を掲載したサイトですね。何と呼ぶのかはわかりません。もちろんCGMの例ではありません。
イ 企業が,自社の商品の特徴や使用方法に関する情報を,一般消費者向けに発信する自社の Web サイト
これは企業の普通のWebサイトで、これも何と呼ぶのかわかりません。これもCGMの例ではありません。
ウ 行政機関が,政策,行政サービスに関する情報を,一般市民向けに公開する自組織の Web サイト
これは行政機関の普通のWebサイトで、特別な呼ぶ方があるのかどうか不明です。CGMの例ではありません。
エ 個人が,自らが使用した商品などの評価に関する情報を,不特定多数に向けて発信するブログや SNS などの Web サイト
これがCGMの例ですね。
答え
エ
サンプル問題 科目A 問55
問55 ロングテールの説明はどれか。
ア Web コンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツに,統合的・体系的な管理,配信などの必要な処理を行うこと
イ インターネットショッピングで,売上の全体に対して,あまり売れない商品群の売上合計が無視できない割合になっていること
ウ 自分の Web サイトやブログに企業へのリンクを掲載し,他者がこれらのリンクを経由して商品を購入したときに,企業が紹介料を支払うこと
エ メーカや卸売業者から商品を直接発送することによって,在庫リスクを負うことなく自分の Web サイトで商品が販売できること
出典:基本情報技術者試験 サンプル問題
ロングテールとは
ロングテールはAmazonが日本に登場した頃に散々聞いた気がします。実は売れ筋ではない商品の売り上げも合計すると馬鹿にできない、という話だったと思います。
選択肢を見てみる
いつものように解説サイトを参考にしながら選択肢を見てみます。
ア Web コンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツに,統合的・体系的な管理,配信などの必要な処理を行うこと
統合的・体系的な管理、というところから、コンテンツ管理システムと考えれば良さそうです。
イ インターネットショッピングで,売上の全体に対して,あまり売れない商品群の売上合計が無視できない割合になっていること
これがロングテールですね。
ウ 自分の Web サイトやブログに企業へのリンクを掲載し,他者がこれらのリンクを経由して商品を購入したときに,企業が紹介料を支払うこと
これはブログをやっている人にはおなじみのアフィリエイトです。
エ メーカや卸売業者から商品を直接発送することによって,在庫リスクを負うことなく自分の Web サイトで商品が販売できること
解説サイトによると、ドロップシッピングだそうです。言葉は聞いたことがありますが、こういう意味だったんですね。Amazonで購入すると、たまに忘れた頃に中国から送られてくるのはこれなんでしょうか。
答え
イ
サンプル問題 科目A 問54
問54 IoT の応用事例のうち,HEMS の説明はどれか。
ア 工場内の機械に取り付けたセンサで振動,温度,音などを常時計測し,収集したデータを基に機械の劣化状態を分析して,適切なタイミングで部品を交換する。
イ 自動車に取り付けたセンサで車両の状態,路面状況などのデータを計測し,ネットワークを介して保存し分析することによって,効率的な運転を支援する。
ウ 情報通信技術や環境技術を駆使して,街灯などの公共設備や交通システムをはじめとする都市基盤のエネルギーの可視化と消費の最適制御を行う。
エ 太陽光発電装置などのエネルギー機器,家電機器,センサ類などを家庭内通信ネットワークに接続して,エネルギーの可視化と消費の最適制御を行う。
出典:基本情報技術者試験 サンプル問題
HEMSとは
この問題はHEMSのHが何の頭文字か知っていたら解けますね。
HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略です。
家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムです。
家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」したりします。
政府は2030年までに全ての住まいにHEMSを設置することを目指しています。
選択肢を見てみる
いつものように、解説サイトを参照します。
ア 工場内の機械に取り付けたセンサで振動,温度,音などを常時計測し,収集したデータを基に機械の劣化状態を分析して,適切なタイミングで部品を交換する。
予兆保全(呼び方はいろいろある)ですね。工場なのでHEMSではありません。
イ 自動車に取り付けたセンサで車両の状態,路面状況などのデータを計測し,ネットワークを介して保存し分析することによって,効率的な運転を支援する。
解説サイトではADAS(先進運転支援システム)となっています。車なのでHEMSではないのは確かですが、私はこの問題はもう少しインフラ側のことを言っているのかと思いました。それを何と呼ぶのか知らないのですが。
ウ 情報通信技術や環境技術を駆使して,街灯などの公共設備や交通システムをはじめとする都市基盤のエネルギーの可視化と消費の最適制御を行う。
スマートシティなのだそうです。ホームも含みますが、全体の最適化に関心がありますね。
スマートシティは、ICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場と定義されています。
スマートシティ - Society 5.0 - 科学技術政策 - 内閣府
エ 太陽光発電装置などのエネルギー機器,家電機器,センサ類などを家庭内通信ネットワークに接続して,エネルギーの可視化と消費の最適制御を行う。
これがHEMSですね。
答え
エ
雑感
HEMSもIoTにこだわらずに、問53のリーンスタートアップのような感じで、ポータブル電源と太陽電池とちょっとした家電で始めればメリットが出る人もいるのでは?と思いますが、補助金を付けて豪華にやろうとするとなかなか難しそうですね。
サンプル問題 科目A 問53
問53 新しい事業に取り組む際の手法として,E.リースが提唱したリーンスタートアップの説明はどれか。
ア 国・地方公共団体など,公共機関の補助金・助成金の交付を前提とし,事前に詳細な事業計画を検討・立案した上で,公共性のある事業を立ち上げる手法
イ 市場環境の変化によって競争力を喪失した事業分野に対して,経営資源を大規模に追加投入し,リニューアルすることによって,基幹事業として再出発を期す手法
ウ 持続可能な事業を迅速に構築し,展開するために,あらかじめ詳細に立案された事業計画を厳格に遂行して,成果の検証や計画の変更を最小限にとどめる手法
エ 実用最小限の製品・サービスを短期間で作り,構築・計測・学習というフィードバックループで改良や方向転換をして,継続的にイノベーションを行う手法
出典:基本情報技術者試験 サンプル問題
リーンスタートアップとは
なんとなく分かる気がしますが、念のために確認します。
リーンスタートアップは「痩せた」「細い」「脂肪のない」などの意味を持つリーン(lean)と、スタートアップを組み合わせた言葉です。リーンは主に人や動物に対して使われる言葉ですが、これをビジネス向けに置き換えると「無駄をそぎ落としたビジネスモデル」といえます。
つまりリーンスタートアップとは、できるだけ少ない費用や手順で最低限の製品を作り、顧客の反応を繰り返し確認することで方向性を定め、ビジネスを無駄なく回していくマネジメント手法のことです。
次の説明が、進め方としてはより理解しやすいと思いました。
リーンスタートアップでは、以下4つの要素で方向性を決定します。
- 仮説を立てる
- 最小限のプロダクトを構築する
- 実験して計測する
- 学習から仮説に戻る
選択肢を見てみる
以上を踏まえて、選択肢を見ていきます。
ア 国・地方公共団体など,公共機関の補助金・助成金の交付を前提とし,事前に詳細な事業計画を検討・立案した上で,公共性のある事業を立ち上げる手法
何もかもリーンスタートアップとは違う気がします。
これは、事前に詳細な事業計画を立案できる場合の手法ですね。
イ 市場環境の変化によって競争力を喪失した事業分野に対して,経営資源を大規模に追加投入し,リニューアルすることによって,基幹事業として再出発を期す手法
金にものを言わせて、という手法ですね。リーンスタートアップではありません。
ウ 持続可能な事業を迅速に構築し,展開するために,あらかじめ詳細に立案された事業計画を厳格に遂行して,成果の検証や計画の変更を最小限にとどめる手法
あらかじめ詳細に立案された事業計画とか、成果の検証や計画の変更を最小限にとどめるとか、真逆ですね。リーンスタートアップではありません。
う~ん、この手法は何なんでしょうね。この手法なら、事業を迅速に構築できると思います。しかし、その事業が持続可能であると分かっているというのは、限られた状況のように思いました。
エ 実用最小限の製品・サービスを短期間で作り,構築・計測・学習というフィードバックループで改良や方向転換をして,継続的にイノベーションを行う手法
これがリーンスタートアップですね。
答え
エ
雑感
参考にしたサイトの両方ともタイトルに「時代遅れ」と入っていますが、内容を読むとそんな感じでもないように思いました。これがPVを集める最新手法なのかもしれませんね。
サンプル問題 科目B 問18
問18
A 社は IT 開発を行っている従業員 1,000 名の企業である。総務部 50 名,営業部 50 名で,ほかは開発部に所属している。開発部員の 9 割は客先に常駐している。現在,A 社における PC の利用状況は図 1 のとおりである。
1 A 社の PC
- 総務部員,営業部員及び A 社オフィスに勤務する開発部員には,会社が用意した PC(以下,A 社 PC という)を一人 1 台ずつ貸与している。
- 客先常駐開発部員には,A 社 PC を貸与していないが,代わりに客先常駐開発部員が A 社オフィスに出社したときに利用するための共用 PC を用意している。
2 客先常駐開発部員の業務システム利用
- 客先常駐開発部員が休暇申請,経費精算などで業務システムを利用するためには共用 PC を使う必要がある。
3 A 社の VPN 利用
- A 社には,VPN サーバが設置されており,営業部員が出張時に A 社 PC からインターネット経由で社内ネットワークに VPN 接続し,業務システムを利用できるようになっている。規則で,VPN 接続には A 社 PC を利用すると定められている。
図 1 A 社における PC の利用状況
A 社では,客先常駐開発部員が業務システムを使うためだけに A 社オフィスに出社するのは非効率的であると考え,客先常駐開発部員に対して個人所有 PC の業務利用(BYOD)と VPN 接続の許可を検討することにした。
設問
客先常駐開発部員に,個人所有 PC からの VPN 接続を許可した場合に,増加する又は新たに生じると考えられるリスクを二つ挙げた組合せは,次のうちどれか。
解答群のうち,最も適切なものを選べ。
(一) VPN 接続が増加し,可用性が損なわれるリスク
(二) 客先常駐開発部員が A 社 PC を紛失するリスク
(三) 客先常駐開発部員がフィッシングメールの URL をクリックして個人所有 PC がマルウェアに感染するリスク
(四) 総務部員が個人所有 PC を VPN 接続するリスク
(五) マルウェアに感染した個人所有 PC が社内ネットワークに VPN 接続され,マルウェアが社内ネットワークに拡散するリスク
解答群
ア (一),(二) イ (一),(三) ウ (一),(四)
エ (一),(五) オ (二),(三) カ (二),(四)
キ (二),(五) ク (三),(四) ケ (三),(五)
コ (四),(五)
出典:基本情報技術者試験サンプル問題
選択肢を見てみる
(一) VPN 接続が増加し,可用性が損なわれるリスク
客先常駐開発部員の個人所有 PCもVPN接続するので、VPN接続するPCが増える可能性があり、これは正しいです。
(二) 客先常駐開発部員が A 社 PC を紛失するリスク
客先常駐開発部員はA社PCを持たないので、この問題では間違いです。
(三) 客先常駐開発部員がフィッシングメールの URL をクリックして個人所有 PC がマルウェアに感染するリスク
これが起こる可能性はありますが、今回の案を実施してもしなくても可能性の大小は変わらないので、この問題では間違いです。
(四) 総務部員が個人所有 PC を VPN 接続するリスク
これも発生する可能性はありますが、従来からずっとあったリスクなので、この問題では間違いです。
(五) マルウェアに感染した個人所有 PC が社内ネットワークに VPN 接続され,マルウェアが社内ネットワークに拡散するリスク
これは正しいですね。BYODを考えるときにいつも問題になる点だと思います。
答え
エ