サンプル問題 科目A 問14
問題
図のように,1 台のサーバ,3 台のクライアント及び 2 台のプリンタが LAN で接続
されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデー
タをプリンタに出力する。各装置の稼働率が表のとおりであるとき,このシステムの
稼働率を表す計算式はどれか。ここで,クライアントは 3 台のうちどれか 1 台が稼働
していればよく,プリンタは 2 台のうちどちらかが稼働していればよい。
出典:基本情報技術者試験 サンプル問題
それぞれの選択肢の意味を考えてみる
ア~エのそれぞれの選択肢について、どういう意味の計算をしているのか考えてみます。
アの場合
この選択肢は、a×b×b×b×c×c を計算しています。
a×b というのは、aとbの両方が稼働する割合を計算します。選択肢アはサーバと3台のクライアントと2台のプリンタのすべてが稼働している割合を計算しているので、この問題で求められる計算ではありません。
イの場合
まず、稼働率を1から引くと非稼働の割合を表します。
イでは(1-b^3)を計算していますが、b^3はクライアントが3台とも稼働している割合で、それを1から引いているのでクライアントの稼働台数は0台から2台の場合の割合です。
同様に(1-c^2)はプリンタの稼働台数が0台か1台の場合の割合です。
これらすべての乗算なので、サーバは動いて、クライアントの稼働台数が0台から2台で、プリンタの稼働台数が0台か1台の場合を求めています。
これも問題で求められている計算ではありません。
ウの場合
(1-b)^3は、1-bがクライアントが非稼働状態の割合なので、その3乗ですべてのクライアントが非稼働状態の割合です。
同様に(1-c)^2は、すべてのプリンタが非稼働状態の割合です。
ということで、ウはサーバは動作するが、クライアントもプリンタも全滅状態の割合で、もちろん求めたい答えではありません。
エの場合
だんだん複雑になり、(1-(1-b)^3)ですが、(1-b)^3はウで説明したようにクライアントが全滅する割合なので、それを1から引くと、クライアントが全滅していない(1台以上稼働している)割合です。いい感じです。
同様に、(1-(1-c)^2)はプリンタが全滅していない割合で、これらを掛け合わせると問題で求めている状態であることが分かります。
なので、答え エ。